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「死せる謙信、京の都で臆す信長を走らす」天正六年（一五七八）四月二十六日―。勅命を受けた軍神・上杉謙信は「毘」の旗を掲げ、洛中にて覇王・織田信長と激突した。双方、肉弾と化した白兵戦の中、多くの死傷者を出して戦は相討ちで終わる。謙信は信長を敗走させたものの、刮目しながら黄泉へと旅立った。一方、謙信不在の越後を狙う武田家と信州・川中島で第六度目の激戦が繰り広げられ、「龍」旗と「風林火山」の旗が戦塵にまみれた。利と義、忠信と叛意―謙信の遺骸とともに無念の帰国をする景虎と、武田勝頼の侵攻を狙止した景勝が春日山城で無言の火花を散らせる。そして、割れた毘軍に迫りくる近隣諸国の餓狼の群れ。景勝と景虎の悲しき運命。上杉の明日をかけた仮想戦記第二部堂々の開幕。

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