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日本のナショナリズム批判にはじまり、異種混淆的な生を説くポストコロニアリズムを経て、いまだ日本帝国支配の爪痕が残る東アジアへと眼差しは向かう。そして主体の脱臼を媒介とした新たな「故郷」の創出へと。安丸良夫、柄谷行人、酒井直樹、エドワード・サイード、ホミ・バーバ、タラル・アサド、ガヤトリ・スピヴァク、ジョルジョ・アガンベン、山尾三省らの思想を通して、「戸惑い」と「受苦」を絆とする新たな共同性が構想されていく。
目次 :はじめに ポストコロニアル的な生をめぐる断想;序章 閾の思考―他者の眼差しのもとで;第1章 思想を紡ぎだす声―はざまに立つ歴史家 安丸良夫;第2章 ポストコロニアリズムという言説―ホミ・バーバ その可能性と限界;第3章 他者と共に在ること―ディアスポラの知識人 タラル・アサド;第4章 外部性とは何か―日本のポストモダン 柄谷行人から酒井直樹へ;第5章 モダニティ・帝国・普遍性―「近代の超克」と京都学派;第6章 帝国の記憶を生きる―ポストコロニアル批評と植民地朝鮮;終章 故郷への帰還―ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァクから山尾三省、そしてジョルジョ・アガンベンへ;あとがき 震災の後に―アイデンティティの傷について
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